低温調理のローストビーフと設定温度、時間
Description
材料
作り方
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牛肉のロース塊肉を用意します。赤身肉が良いのでOGビーフを今回は使います。
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アメリカンビーフでも良いですが、OGビーフの方がしっとりと仕上がると感じます。お好みで色々試してください。
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牛肉にフォークやテンダライザーで筋を切ると共に塩など香辛料が染み込みやすくする為に穴を開ける意味で行います。
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テンダライザーは数種類ありますが、私は下村工業の筋きり器を使っています。もうひとつノーブランドの製品も持っています。
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ノーブランドは3列に刃があり一度に広い面が処理出来ますが、清掃が面倒です。
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下村工業の製品は歯が1列ですが分解清掃が可能で衛生的に使えます。刃が3列の製品はプロが使っていて知りました。
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肉に穴を開けますので、肉の中心まで細菌が入り込む可能性が高くなります。調理器具は清潔に、ゴム手袋をして作業します。
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穴を開けたら塩と胡椒を擦り込みます。最初に軽く塩をして水分が出てきたら拭き取ってから更に少し多目に擦り込みます。
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岩塩か海水塩か粗挽き細挽きで塩の効き方が違います。今回はイタリア産の岩塩を粗挽きで作っています。違いは舐めるとわかります
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塩と胡椒を刷り込んだら15分ほど馴染ませてローリエやタイムなどお好みのハーブと一緒に真空パックします。
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真空パックの重要性ですが、多くの細菌の繁殖には酸素が欠かせません。なるべく空気を抜いて細菌の繁殖を極力防ぐ狙いがあります
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また、真空パックにすると味の馴染みが良くなります。なるべく短時間で味を馴染ませることによって食中毒のリスクを防ぎます。
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真空パックの機械は通販で3000円〜30000円と幅が広いですが、ジェネティック合同会社のフードシールドをお勧めします。
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理由は市販の多種多様な袋を利用できること、粉末、液体、油、内容物に制限なく使用できること。(多くは粉や液体は不可)
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袋だけではなくて真空用の入れ物が利用できるので、保存方法の選択肢が多い。
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シーリングのみも利用できるので、開けたお菓子袋のシーリングに利用できる。(ポテチなど)
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多くの製品は値段に関わらず上記のような使い方ができない。何度も買い換えるなら良いものを使って欲しい。公式動画もあります。
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パッキングはジッパー付きの袋でも代用出来ます。水の中に入れると水圧で真空に近い状態になります。この時ゆっくり袋を沈めます
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低温調理器の設定を60度で時間をセットします。時間の長さと温度は肉の厚みに合わせて変えます。
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牛肉の厚みに対する温度と目安の最低時間を記載します。ここで扱う厚みは肉の最大の厚み、時間は安全であるための最低時間です。
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時間は重さに対してではなくて、厚みに対してです。板状、円柱状など形によっても変わってきます。余裕を持って設定しましょう。
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牛肉の60度に対する厚みと時間です。5mm35分、10mm50分、15mm1時間5分、20mm1時間20分
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25mm1時間45分、30mm2時間 35mm2時間30分、40mm3時間
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45mm3時間30分、50mm4時間、55mm4時間30分
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62度に対する厚みと時間です。5mm20分、10mm35分、15mm50分、20mm1時間5分、25mm1時間30分
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30mm1時間45分 35mm2時間15分、40mm2時間45分、45mm3時間15分
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50mm3時間45分、55mm4時間15分。牛肉以外は温度も時間も変わるので牛肉以外は使用しないでください。
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塊が太いなら温度を高く設定してください。生焼けになるよりもしっかりと火を通して安全に食べる方が優先です。
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温度を高くすると時間を短く出来ますが、中心温度が目標温度到達に必要な程度の時間に調整します。
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50度台、更には熟成を売りにしているお店では40前後で調理している事があります。
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細菌は40度程度だと繁殖しやすい温度帯なので、専門的知識の足りない素人は避けるべきです。高齢者や子供は避けてください。
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『補足』肉のタンパク質はアクチンとミオシンの2つが大きくやわらかさに作用します。
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アクチンは65度以上になると硬くなる物質で低温調理はアクチンの作用を減らすことが出来るのでやわらかい肉質が期待出来ます。
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高温長時間で調理するとゼラチン化が顕著になりやわらかくなる事が期待出来ます。代表としてもつ煮込みなどがあります。
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2つのタンパク質を上手くコントロールするために60度~64度の範囲で温度設定するのが今の所望ましいと考えます。
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温度管理を正確にするには低温調理器が向いていますが、手動で煮る事や従来のオーブンでの調理で問題はありません。
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ここでは肉のやわらかさに焦点を置いています。美味しさの要素はそれ以外も複雑に絡むため絶対要素ではないことをご理解ください
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低温調理が終わったら氷水で急冷します。温度が下がる時に雑菌の繁殖を抑えるためです。
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冷えたら冷蔵庫で1時間程度休ませます。
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自然に粗熱をとるやり方を採用していましたが、安全に食べるために急冷を採用しました。変更してください。
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冷蔵庫から取り出したら少量のドリップがあればキッチンペーパーで拭き取ります。
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その後、塊のまま熱したフライパンで表面に焦げ目をつけて行きます。火が通ってしまわないように手早く全ての面を焼きます。
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それらしい焼き色がついたらすぐにフライパンから出してキッチンペーパーで余分な油などをサッと拭き取ります。
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この後もう一度冷蔵庫で冷やすと切りやすいですが、今回はすぐに食べたかったのでそのまま切ります
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切れない家庭用の包丁を考慮しての切り方です。
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小刻みに動かして薄く切ります。肉の切り口が歪んできたらその部分は切り落として形を整えます。
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切れる和包丁なら引き切りで一度に切ります。柳刃や薄刃の包丁を使ってやると綺麗に仕上がります。
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それらしく盛り付けて、自家製のタレ等をかければ完成です。
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タレの作り方はこちら(ID 5807761)
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2021年1月1日
「低温調理」の人気検索でトップ10に入りました。
ありがとうございます。
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